派遣の職場見学ってなに?顔合わせとは
派遣の仕事に、「職場見学(顔合わせ)」というものがあるとご存知ですか?では、この職場見学(顔合わせ)とは、いったい何のために、誰のために行うのでしょう。いわゆる、一般的な「職場見学」や「顔合わせ」との違いはあるのでしょうか。また、「面接」とはどう違うのでしょう。参加する側は、どんな心積もりで臨めばいいのでしょう。これから、ひとつずつ解説していきます。
派遣の職場見学、顔合わせとは
簡単に説明すると、仕事をスタートさせる前に、派遣就業予定者と派遣先の企業が「顔合わせ」をして、お互いの情報を知ることを指します。派遣就業予定者側にとっては、これから自分が派遣されるであろう企業の雰囲気や様子を知ることが出来る、まさに「職場見学」に近いものと言えるでしょう。一方、派遣就業予定者を受け入れる側の企業としては、これから派遣されてくる就業予定者が、どのような人物かを知る重要な機会となります。
このような機会を設けずに、いきなり仕事をスタートさせてしまうリスクとして、「派遣就業予定者の認識と企業の認識の食い違い」という事が挙げられます。どういうことかと言うと、人材派遣会社は、「派遣就業予定者」と「派遣先の企業」を仲介する立場にあります。派遣就業予定者が、事前に人材派遣会社から聞いていた情報、また、派遣先の企業が、事前に人材派遣会社から聞いていた情報。この双方の情報と認識が食い違ってしまう事があるということです。それを防ぐためにも、人材派遣会社が「派遣就業予定者」と「派遣先の企業」のお互いの顔を合わせる機会を設定し、両者の認識の統一を図るという側面もあります。
派遣の職場見学、顔合わせと面接の違い
では、「職場見学(顔合わせ)」と「面接」の違いとは何でしょう?実は、「派遣法」という法律があり、派遣先の企業は派遣されてくる就業予定者に対して「面接をして合否を決める」という行為が禁止されているのです。ですので「面接」ではなく、「職場見学(顔合わせ)」というスタイルをとります。面接との違いとしては、まず、その「目的」が違いが挙げられるでしょう。職場見学(顔合わせ)は、派遣就業予定者の採用を決定する場ではありません。前述したように、面接というよりは「双方の確認」というニュアンスが強いです。
面接の場合は独りで企業に出向きますが、職場見学(顔合わせ)の場合は、人材派遣会社の営業担当者が同行するという点も、面接との大きな違いでしょう。事前に営業担当者と打ち合わせをする機会があるので、アドバイスや注意点などを聞くことも出来ますし、もちろん、職場見学(顔合わせ)の間も、営業担当者は側でフォローをしてくれます。また、口頭で説明をする事はありますが、履歴書や職務経歴書の提出は必要ありません。これも、面接とは違う点です。
また、前述したように、そもそも職場見学(顔合わせ)の場は、「面接の場」ではありません。派遣先の企業は派遣就業予定者に対して採用の合否を決める権利は法律上ないので、企業から「不採用」という形で通知を受けるということはありません。しかしながら、この法律がしっかりと守られていると言い難い現状もあります。「採用は見送らせてもらいます」という言葉ではなく「今回はご縁がなかったということで…」というような言葉で濁されて、実質は「不採用扱い」というケースも残念ながらあるようです。
以上の事から、「職場見学(顔合わせ)は、「面接」とは異なりますが、実際は、面接に臨むような心積もりが必要と言えるでしょう。しかし、営業担当者も同行するので、適切なアドバイスを受け、企業の担当者ともしっかりとコミュニケーションが取れれば、そこまで心配することはありません。
職場見学(顔合わせ)をする理由
派遣先からみたいときの理由
派遣法で面接が禁止されている以上、派遣先の企業はどのようにして、派遣就業予定者について知ることが出来るでしょうか。一度も顔を合わせていない、人と成りが分からない人物に、いきなり仕事を任せる事は出来るでしょうか。おそらく、企業側は不安に感じるでしょう。同様の事が就業予定者側にも言えます。行ったこともない場所で、会ったこともない人達といきなり仕事をするのは不安ではないでしょうか。
それを解消するためにも、実際に、就業予定者と話をして、どんな人物かを知り、就業予定者にも自社についてきちんと知ってもらう機会が、企業側にも必要なのです。就業予定者の人物像だけでなく、企業が任せたい仕事内容が、就業予定者の力量やニーズとマッチしているかを確認する大切な場でもあります。
派遣元からみたときの理由
実は、人材派遣会社の営業担当者は違う見方をすれば、派遣就業予定者の「上司」とも言えます。派遣就業予定者が、派遣先の企業で働くための段取りや準備をするのは、営業担当者の役割です。人材派遣会社と派遣先の企業は、「人材を派遣する側」と「人材を求める側」という、ビジネス関係にあります。ですので、派遣元が自社の派遣就業予定者がその派遣先で適応していけるかを確認し見極め、必要ならば適切なフォローを検討するためにも、職場見学(顔合わせ)は派遣元にとっても重要な場なのです。また、前述したように「派遣就業予定者と派遣先の企業の食い違い」を防ぐ為にも、派遣元である人材派遣会社は、双方がトラブルなくスムーズに仕事開始が出来る様に、職場見学(顔合わせ)を設定しています。
しっかりと準備をすれば大丈夫
最後に、職場見学(顔合わせ)で、どのような質問をされる事が多いのかを紹介します。大体、次の3つくらいと考えていいでしょう。①今までの職歴や、資格・スキル等②出勤可能な曜日や時間帯の確認③これから任される業務をきちんとやれるか、です。しかし、企業によっては質問内容が違う場合も当然あるので、想定される質問への備えは必要です。是非、この記事を参考に、希望の派遣先で働けるように準備をしましょう。