派遣先から引き抜かれたらどうする？メリットとデメリット紹介

投稿日：2020年04月09日

派遣社員として働いていると派遣先から引き抜きの相談を受けることがあります。引き抜かれるのにはどのようなメリットとデメリットがあるのかを把握してきましょう。派遣社員を続けたいという場合にはどんな断り方をしたら良いのかと悩むかもしれません。そのときの答え方についても理解し、引き抜きを受けたときに適切に対応できるようになりましょう。

派遣社員が「引き抜かれる」ってそもそもどういうこと？

まず理解しておきたいのがそもそも派遣社員が引き抜かれるとはどのような状況を指すのかです。端的に言ってしまえば派遣社員ではなく正社員として雇いたいというオファーを受けることになります。会社としては正社員としてもっと会社に貢献して欲しいという意向があり、実力を認めてくれているのが一般的です。派遣で来てもらえる期間には限界があるので、もっと長期にわたって働いてもらえるようにするために正社員にしたいと考えている場合もあります。特に紹介予定派遣になっていない場合であっても会社側の希望により正社員になれる機会が生まれるのです。

タイミングとしては派遣期間が終わって派遣契約が満了するときに引き抜きの話が挙がるケースが多くなっています。派遣契約を途中でやめることは原則としてできないからです。ただ、派遣期間中でも引き抜かれることが全くないわけではありません。派遣元の会社を自主退職して転職するという形になるのが通例で、派遣先の会社が派遣元の会社と交渉して退職しやすい状況を作ってもらうことができます。

派遣先からの引き抜きを受けるメリットとデメリット

派遣先からの引き抜きを受けるとどのような変化が生まれるのでしょうか。メリットとデメリットを確認しておきましょう。

メリット

引き抜きを受けると正社員の身分として派遣先の給与体系で収入を得られるようになります。安定した身分を手に入れられるのはメリットで、給与が安定するだけでなくクレジットカードを作ったりローンを組んだりしやすくなるのも魅力です。派遣社員の場合には派遣先の紹介を受けられない期間が生まれたり、派遣先が変わったときに収入が変わったりしてしまう傾向があります。正社員でも歩合制の場合には収入があまり安定しないこともありますが、通常は基本給が定まっていて安定した給与を受け取ることが可能です。

また、責任のある仕事を任されるようになり、成果を上げれば評価されて昇給や昇進の機会も得られるようになります。業績に応じてボーナスが支給される会社も多く、売上利益を増やすために会社に貢献することへのモチベーションも高まるでしょう。

デメリット

正社員への引き抜きを受けるとデメリットも生じます。責任のある仕事を任されるということはただ指示通りに業務をこなせば良い立場ではなくなることを意味しています。派遣社員の場合には正社員からの指示を受けて淡々と仕事をすれば良いだけのこともよくあり、たとえ失敗をしたとしても責任は正社員が被ってくれるのが通例です。しかし、正社員になると目標を立てて工夫をして仕事に取り組み、与えられた職務を成し遂げるために精魂を使うことになります。その責任と緊張感が重圧に感じて辛くなるケースもないわけではありません。

また、残業を余儀なくされることが多いのもデメリットです。直接雇用の場合には残業を命じられたら断りづらく、その日のうちに終わらせなければならない仕事があったら残業して終わらせなければならないでしょう。急に残業が入ることもあるため、ワークライフバランスが仕事よりになってしまう場合がほとんどです。

派遣先からの引き抜きを断るには

派遣先から引き抜きの話を受けたときに断りたいと思ったらどのように意向を伝えたら良いのでしょうか。基本的にはその後の関係のことも考慮して当たり障りがない形で答えるのが大切です。まず、すぐにその場で断らず、少し考えさせて欲しいと言って話を持ち帰った方が良いでしょう。悩むくらい良い会社だと思っているという印象を与えられるからです。その上で別の機会を設けてもらって、派遣社員として働きたいことを率直に伝えましょう。

直接雇用の身分になることへの不安や悩み、考えられるデメリットなどについては言及しないのが心象を悪くさせないための基本マナーです。派遣社員として働くのに魅力を感じていることや、家庭の事情から正社員で働くのは難しいことなどを挙げて断るのが適切です。まだ派遣期間がかなり長く残っているのに引き抜きの話が出てきた場合には断ったために待遇が悪くなったら嫌だと思うかもしれません。その場合には今はまだ迷っていることを伝えて、期間満了が近くなったらもう一度考えさせて欲しいという一言を添えるのも良いでしょう。

引き抜きの話は真摯に受け止めて対応を考えよう

派遣先の会社としては派遣社員として働いてくれている人を正社員として直接雇用したいと考えることがありますが、それ自体は合法な行為です。このような引き抜きの話が出てきたときにはメリットもデメリットもあることを考慮して本当に受けるべきかをよく考えましょう。その場限りで良いことを言ってくるリスクもあることも念頭に置き、きちんと判断して対応するのが大切です。