品質管理者になるにはどうする?志望動機の書き方や例文紹介
品質管理という言葉はとても一般的ですが、何をする仕事なのかと問われると一般化するのは難しいかも知れません。それは品質管理の仕事が幅広い業種に渡って存在するためです。名前の通り、品質を管理するのが仕事ですが、何の品質を管理するのかは業種によって異なります。場合によっては企業の信用を左右する可能性すらある、重要な品質管理という仕事について詳しく見てみましょう。
そもそも品質管理者とは
品質管理者という仕事は一般には縁遠いように思われがちですが、非常に身近なところにもあります。例えばガソリンスタンドです。ガソリンスタンドは、危険物取扱者免状の取得者の中から1名を品質管理者として専任し、経済産業局に届け出なければなりません。そして品質管理者は10日ごとに、販売するガソリンや軽油の成分分析を行って経済産業局に届け出る義務があるのです。もちろん実務上は経済産業省認可の分析機関に依頼して分析結果の書類を受け取り、問題がないことを確認してまとめるだけでOKです。さらに、元売りや流通に関わる全ての業者の連帯保証があれば、分析は年に1回に軽減されます。
それでも普段何気なく利用しているガソリンスタンドにも、ここまで厳しく品質管理の義務があることは意外に知られていません。ガソリンスタンドは小売業ですが、販売するガソリンなどは工業製品で、その性質上精製施設からガソリンスタンドへの輸送中にも変質の恐れがあるわけです。そのため、製造業と同レベルの品質管理がタンクローリーを運用する運送業者にも、顧客に直接販売する小売業者であるガソリンスタンドにも求められています。
製造業においては、いわゆる「完成品検査」だけでなく工程ごとに品質をチェックする機構が組み込まれていることが多いです。こうした仕組みは、過去のトラブルやクレームなどを解決した情報をベースに、品質管理者が中心になったチームで作り上げるのが一般的と言えます。その品質管理が与える影響や、新しい仕組みを作るためのコストが大きい場合などには、上級管理職や役員までもが品質管理者の一員として働くこともありえます。
さらに、品質管理とは無縁に見える銀行や飲食店、小売店などでも、サービスの品質や品揃えの品質など業種や規模に応じた品質管理が行われます。言ってみればすべての業種において品質管理という仕事が存在するわけですが、それが専門の部署として存在し、その要員を募集するのはやはり製造業とその関連業種が中心になると考えて良いでしょう。
経験したことのない業種での品質管理者への志望動機例文
品質管理者を目指して就職・転職をする際、志望動機をどのように書くと有利になるのかについて見てみましょう。まずはこれまで経験したことのない業種への志望の場合です。業種が異なっても、品質管理に携わったことがあれば応用が効きますので、その経験をアピールすることは必要です。また、経験の有無に関わらず品質管理の仕事には次のようなスキルが必要になります。自分のスキルの中でこうした物がどの程度あるかを冷静に分析した上で、志望動機の作成にかかりましょう。
品質管理の仕事に求められるスキル
まず重要なのはコミュニケーション能力です。品質管理というのはクレームやトラブルがきっかけになって管理方針が決まることが多いです。顧客からのクレームや取引先とのトラブルから問題点を洗い出し、製造現場や営業などとすり合わせてゆくコニュニケーション能力は必要不可欠です。同様に問題解決能力も重要になります。品質管理は重要な仕事ですが、それ自体は利益を生みません。損失を防ぐための仕事にどれだけコストを掛けられるかを考えて、少ないコストでシステムを作り上げるかというのは品質管理の仕事なのです。
そして、洞察力も必要です。これは問題解決能力のさらに深い部分です。トラブルが起こる前に、その芽を摘み取ることは洞察力なしには行えません。普段から関係するすべての作業をチェックし、鋭い洞察力をもってリスクを事前に排除しないといけないのです。こうしたことは業種が違っても品質管理に共通することと言えるでしょう。
志望動機の例文(製薬会社への応募の例)
私は5年間MRとして医師を含めた病院関係者に商品説明、使い方の指導、販売を行ってきました。商品に関する知識を沢山必要とする職業ですので、一生懸命勉強するうち、もっと根本的な職業に就きたいと思うようになり今回応募させていただいた次第です。貴社の「優れた医薬で世界の人々の健康に貢献する」と言う理念のもと、徹底した品質管理を行うという姿勢に大変共感を覚えました。品質管理の仕事は未経験ですが、MRとして培った医薬品の知識と、学生時代に専門としていた分析化学の知識を活かして、一日も早く貴社に貢献できるよう努力いたしますので、よろしくお願い致します。
経験したことのある業種での品質管理者志望動機の例文
同業種で転職を考える場合についてお話しします。
避けたほうが良い話題
同じ業種での経験がある場合、そのことをアピールすることはもちろん必要ですが、ネガティブなイメージに繋がることを書かないよう注意して下さい。特に前の職場に対して批判的であることはマイナスにしかなりません。これから自分が職場でどう働けるのかという前向きな姿勢を打ち出すようにして下さい。
志望動機の例文(電気機器会社への応募の例)
私は7年間、産業用電気機器のメーカーで品質管理の仕事に携わってきました。海外の案件が半数を占めていたので、実用的な英語力を持っていると自負しています。そうした中で、設置工事や現地での運用まで幅広い業務を行っている貴社に魅力を感じたので応募した次第です。履歴書にある通り、関連する資格もいくつか持っておりますので、貴社においても役に立つと思います。貴社の「社会のインフラを発展させる」と言う理念の実現に貢献できるよう精一杯努力致しますのでよろしくお願い致します。
品質管理者は特にスキルを活かすことが重要になる
本文中にあったように、品質管理者にはコミュニケーション能力など、共通するスキルが必要になります。さらに業種・業態ごとに専門化されたスキルも必要です。関係する資格を取得していることは特にアピールすべきでしょう。具体的な資格などは履歴書にリストアップして、志望動機からそれに誘導するようにするとスッキリした形になります。自分の強みを分かりやすくアピールするのがポイントと考えて下さい。